糖尿病患者さんの脂質管理に関して~研究会報告~
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2018年9月8日 座長として携わった研究会について簡単に報告いたします。
二人の先生の講演を聞きました
一つ目は、糖尿病患者さんの無症候性心筋虚血についてのお話でした。
無症候性心筋虚血というのは、症状はないのですがいつのまにか心臓を栄養する冠動脈が狭窄していることをいいます。
自分自身も、もともと非常に興味のある分野で、大学で病棟患者さんと接している時期に『2型糖尿病患者のうち5人に1人以上に無症候性心筋虚血を有した。』という米国からの報告1)を読み、現在もそのことを念頭に置きながら診療しております。
いかに患者さんに負担をかけずに無症候性心筋虚血に関しての検査をしていくかということは今後の課題と思われます。
二つ目は、糖尿病患者さんの脂質コントロールに関してのお話でした。研修医時代(国立呉病院)に24時間密着し、教えて下さった先生の御口演でした。糖尿病患者さんに合併する脂質異常の指標としてはnon-HDL-Cがよい指標となることを非常に判り易く説明してくださいました。2)
実際、動脈硬化学会でもnon-HDL-Cを算出することを推奨されていますし、糖尿病患者さんを対象にした研究でも『日本人2型糖尿病患者の冠動脈疾患の予測にnon-HDL-Cは有用である』3)と発表されております。
非常に有意義な研究会であり、勉強になりました。
1) Wackers FJ, et al Diabetes Care 2004; 27: 1954-1961
2) Masuda D,et al J Atheroscler Thromb.2018;25:512-520
3) Sone H, et al Daibetes Care. 2012; 35: 1150-57.